ニコニコ動画ではラウドネスノーマライゼーションが実地されています。
今回はラウドネスやニコニコ動画での実装について見ていきたいと思います。
【予告/PC版ニコニコ動画】
— ニコニコ窓口担当 (@nico_nico_talk) January 8, 2020
1月29日(水)より、PC版ニコニコ動画に『音量の自動調整機能』を導入します。
本機能は、ユーザーの皆様よりいただいていた、動画広告の音量が大きすぎるといった問題を解消するものです。
※設定から、動画本編のみ音量の自動調整が解除できます。https://t.co/XFU2zJoDSy
公式の解説はこちら(クリック)
ラウドネスを知ろう
ラウドネスとは
人間が耳で聞いて感じる音の大きさを数値にしたものです。
数値は基本マイナスで、単位はLUFS/LKFSとなります。
LKFS/LUFSは呼び方が違うだけで同じです。
数値が小さい程、音が大きくなると思って下さい。

ラウドネスノーマライゼーション
放送業界や動画、音楽配信サービスでは音量を均一にする試みが為されています。
これが導入されると全ての音が同じ大きさになり、爆音で耳を痛めることが無くなります。
音の大きさを揃える際にラウドネス値を参考にしているので、この行為をラウドネスノーマライゼーションと言います。

ニコニコ動画での導入
ニコニコの説明によると、音声には一切手を加えず音量を調節するだけのようです。
また、音量調整をOFFにする機能もあります。
基準となるラウドネス値
-15LKFS/LUFS (Integrated Loudness)※平均値ラウドネス計測方法
EBU R 128 / ITU-R BS.1770-3注意点
動画全体の音量が基準値以下の場合なにもしません。
動画より少し静かな音になるように再生前広告の音量を調節します。
再生前広告はON/OFF関係なしに小さくなります。公式の解説より
https://ch.nicovideo.jp/nicotalk/blomaga/ar1848078
言葉だけだと分かり難いので図を用いて説明します。

これまでのニコニコでは投稿者が設定した音量に応じてユーザー側が音を調整していました。
※画像左側部分
PCだと音量バー、スマホだと端末の音量を弄っていると思います。

現在のニコニコの音量調整では、再生前に音量を-15LUFSまで下げます(音量調整がONの場合)
※画像右側部分
ここで大事なのは音量を下げる処理だけ行っている点です。
波形を弄ったり、再エンコ時に音量を下げるわけではありません。
やっている事は100の音を50に下げるのと同じなので劣化はしません。
音量バーが100の時にでる音は最大で-15LUFSですが、端末の音量を上げれば自分が聴く音は大きくなります。

ただ、ニコニコの仕様上大きい音は小さくしますが、小さい音は大きくならないので注意して下さい。
実際に体験しよう
文章よりも聞いた方が分かりやすいので聞きましょう。
今回はGYARIさんの「永遠にゲームで対戦したいキリタン」のオケをお借りしました。
※ラウドネス値は自分で検証したものです
※多少のズレがあると思います(-6.1LUFSとか)
※計測方法はニコニコと同じEBU R 128/Integrated Loudness(平均値)
1.-6LUFS(ボカロ等)
2.-15LUFS(現在のニコニコ)
3.-24LUFS(テレビ放送)
ラウドネスがどういう物かお分かり頂けたでしょうか。
今回用意した動画は-6LUFSまで上げたオケを用意し、ニコニコと同じように音量を下げて残りの2つを作成しています。
PC/スマホアプリのどちらも音量調整をONにすると-15LUFSの音量になると思って下さい。
YouTubeとの違いは?
ラウドネス値の違い(YouTubeは-14LUFS)もありますが、一番大きいのは視聴者が任意でON/OFFを選べる点です。
YouTubeでは解除できません。

因みにどれくらい音が小さくなっているか、YouTubeだと簡単に調べられます。
投稿者として注意する事はあるか?
個人的にはあまり無いと思います。
YouTubeもニコニコもサイト側が勝手にやるので神経質になる必要は無いです。
ニコニコはON/OFFできる事から視聴者に委ねている部分が大きく、全員が同じ環境で聞くわけではありません。
音の大きさをどう感じるか、人によってバラバラなので深く考えても答えは見つからないと思います。
終わりに
少しでもラウドネスについて理解が深まれば幸いです。
音量が変わるだけで音質が下がる訳では無いですし、音量調整をOFFにすることも可能なので大して変わりません。
プロが出すMVでも割と音圧モリモリで投稿して下げられていることも珍しくありません。
音割れには注意しつつ楽しんで動画投稿をしていきましょう。
それでは!
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